着物にあう草履の選び方と色合わせ
着物のコーディネートの中で、忘れてはいけないのが草履です。
草履といってもさまざまな種類があって、どれを選んでいいのか迷われる方も多いと思います。いちばん迷うのは着物との合わせ方ではないでしょうか?
草履の基本的なことを知っておくと、着物の種類や季節によって草履を変えたり、自分なりの楽しみ方も広がります。
草履を少し変えるだけで、ずいぶん着慣れた着こなしに見えますので、ぜひ参考にしてみてください。
〈目次〉
着物にあわせて草履の高さと素材を選ぶ
着物の種類や出かける場所にもよりますが、草履を大きく分けるとフォーマル用とカジュアル用の2種類に分かれます。
フォーマル用は、高さが5〜7cmくらいの高めの草履。
素材は唐織や錦織、刺繍の入ったもの。
カジュアル用は、高さが3〜5cmくらいの低めの草履。
鼻緒の素材は縮緬やベロア、織物などさまざまです。
高さ5〜7cmくらいのエナメルの草履は、フォーマルとカジュアルのどちらにでも使えます。
夏に出番が多いパナマ素材の草履なども人気の草履のひとつです。
合わせやすく使いやすいエナメルの草履
エナメルの草履は、あまり派手さがなくシンプルですが、高さがある程度あれば、紬や小紋などのカジュアル着から、訪問着などのフォーマル着まで着物を選ばず、幅広くあわせることが出来ます。
また、エナメル素材は汚れに強くお手入れが簡単なのが魅力です。一日中、着物で出歩いているとわかるのですが、草履は結構汚れています。
エナメルの草履は、帰宅後にさっと乾いた布などで、汚れを拭いておくだけでも大丈夫ですが、汚れが目立ってきた場合は、エナメルは専用のクリームでさっと拭くだけでOKです。初心者の方にはおすすめです。
エナメルの草履がおすすめな3つの理由
1.汚れにくく、お手入れが簡単。
2.シンプルで飽きがこない。エナメルなので品もある。
3.紬から訪問着までOK。(場所を選ばない。)
エナメル素材の草履は、着物の種類を選ばず合わせやすく、お手入れも簡単です。
具体的な草履の選び方
まず、自分の持ってる着物の種類と色をチェックします。
紬や小紋が多めなのか、付け下げ、訪問着が多めなのか、シックな色が多いのか、淡い色が多いのか。それにあわせて草履の台の色を決めます。
モノトーン系の紬や小紋の場合 ⇒ 黒、ネイビー、ダークグレー、グレーなど
淡い色の付け下げや訪問着の場合 ⇒ 白、ベージュ、ライトグレー、ライトピンク、ミント、パールホワイト、パールグレーなど
台の色を決めたら、次に着物や季節にあわせて、自分の好きな鼻緒と前坪の色を選びます。桜の季節だったら、ピンク系やベージュ、新緑〜初夏だったらライトグリーンやライト、イエローなど。
前坪(結び目)の色は、差し色的なポイントで遊べますので、赤やオレンジ、ピンクなどを入れると楽しいです。
赤い色の前坪は、魔除けの意味合いもあるそうです。
着物にあわせやすい草履の色は?
どんな着物にもあわせやすく、季節をあまり選ばない、おすすめの草履の台の色は、やはりベージュ系です。ベージュは定番色なので、人とかぶってしまうこともありますが、前坪や鼻緒の色を変えるだけで、自分らしい草履に変えることが出来ます。
その他おすすめなカラーは、グレー系やネイビー系です。
薄い鼠色や茄子紺の草履は、大人っぽい着こなしによく合う色で、どんな鼻緒の色でもあわせやすく、おすすめのカラーです。
また、薄い鼠色は訪問着や小紋、紺系は紬などに合わせやすく、白やベージュより汚れが目立たない点でも、個人的に気に入っています。
お好みにもよりますので、ご参考までに。
足袋のことも気になる方はこちらをご覧下さい。
鼻緒をかえて自分だけのオリジナル草履をつくる
訪問着や付け下げにあわせて、草履を華やかにしたい場合は、少し高さのある草履の台を選んで、鼻緒を織や刺繍入りに変えます。
草履は鼻緒と前坪を変えることで、自分だけの草履を楽しむことができます。色の組み合わせは無限にありますので、草履の台にあわせて鼻緒を変えてみましょう。
手持ちの草履の台を使って鼻緒を変える場合は、鼻緒代だけでいいので、草履を誂えるよりはかなり経済的です。
鼻緒を買う時に草履を持っていけば、普通のお草履やさんであればほとんどの場合、無料で変えていただけると思います。その時に鼻緒の高さも自分の足にあわせて調節してもらえます。
草履はお店で買ってそのままの方が多いと思いますが、鼻緒と前坪は自由に組み合わせて変えられるのが、草履の良いところでもありますので、ぜひお試し下さい。
草履のサイズについて
草履のサイズは、S〜LLサイズくらいまでありますが、出来れば実際に試し履きをして、自分の足のサイズにあわせて、履きやすいサイズを選ぶのが一番です。
また、草履は踵が少し出るように履きます。靴でいえばミュールのような感じで、踵を出した方が美しく見えますが、草履になれていない場合は、痛くてたまらないという場合もあります。
その場合は、安定感のある小判型の幅広の台の草履を選ぶとよいでしょう。逆に足幅が狭い方は、草履の中で足が滑らないように幅が狭い台を選ぶと履きやすいです。
また鼻緒が柔らかい草履は、最初は履きやすく感じますが、足が固定されませんので、草履の中で滑りやすくなるので、選ぶときには注意が必要です。
ある程度の硬さがある鼻緒の方が、足に馴染んできて履きやすくなります。
草履は痛くて苦痛、という方や着物を着るだけで精一杯という方も、少し余裕があるときに、自分にあう草履やコーディネートを考えてみましょう。
いつもの着物も、新たな楽しみ方が増えると思います。