きもの日和

着物の着こなしなど。きものにまつわるあれこれのブログ。

6月の帯は何を選んだらいい?単衣の着物にあわせる帯

6月の単衣の着物にあわせる帯について、毎年悩ましいですね。
上旬、中旬、下旬と梅雨入りの時期によって気温も変わるので、同じ単衣でも、着る日によってあわせる小物や帯を臨機応変に変えます。(追記2020.6/20)

 

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「単衣から夏帯でいい」と言われた、「夏帯はまだ早いわよ」などといろんな意見があり、迷ってしまうところですが、6月は着る日の天候によって選ぶ帯も変わるので、あまり細かなことは気にせず、おおまかに上旬と下旬とわけて考えると良いでしょう。

単衣の着物にあわせたい帯

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6月上旬から中旬は、さすがにまだ夏帯は早いかなという感じがしますので、明るい爽やかな色(白、ベージュ系や薄緑系など)の塩瀬の帯や、紬織の八寸名古屋帯などさらっと見えるものをあわせると涼しげで重たすぎずに着こなせると思います。

塩瀬の染め帯は、つるっとした素材感が涼しげでこの時期は好まれる帯のひとつです。絵柄を初夏の小動物や草花などを選ぶと、季節感を楽しむことが出来ます。

 

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 1本あるととても便利な絽塩瀬の帯

6月の後半くらいから、塩瀬から絽塩瀬の帯に変えるとより季節感を楽しめます。絽塩瀬の帯は、塩瀬の生地に絽(透目)が入ったもので、透け感があまりなく単衣の着物にあわせる帯として人気の帯です。6月から9月までの間、単衣から夏物の着物にあわせられる帯でとても重宝します。
また、塩瀬や絽塩瀬の帯は、染めの手描き柄を楽しむ帯でもありますので、自分の好きな季節柄を選ぶのも着物を着る醍醐味のひとつですね。ただ夏の風物柄などは、シーズンの少し前の約半月くらいしかあわせられない場合もありますので、着物を着る時期と絵柄をよく考えて、選んだ方が良いでしょう。

以前、呉服売場で薦められた帯のなかに、作家物の手描き染めで水芭蕉柄の帯がありました。爽やかな色柄と構図がとても素晴らしく大変迷いましたが、購入にはいたりませんでした。やはり着用できる時期があまりにも短く、私には贅沢すぎる帯でした。手描きの染め帯は素敵な帯が多く、思わず手にとってしまうことも多いのですが、柄によってはあわせる時期をよく考えて購入した方が良いです。

限られた期間にだけ楽しめる帯姿は、とても贅沢でお洒落な着こなしですので、あえて風物柄の帯を毎年、短い間に楽しまれる方も多いです。 その季節を象徴する絵柄の手描き染めは、数も少なく(作家ものなど)着物好きの方にはたまらない帯のひとつで、呉服店ではお薦めされることが多い帯でもあります。

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あまり時期を気にせずに、気軽に絽塩瀬の帯をあわせたいという場合は、植物柄や花火などの季節柄ではなく、幾何学模様や抽象柄、古典柄などがおすすめです。

帯の色は、ベージュ、白系があわせやすく人気の帯色です。白系は汚れがどうしても気になるという方には、茄子紺色や鼠色などの深い色の帯も絵柄が映え、涼感を感じさせます。汚れが目立たないという点でもおすすめです。

(余談ではありますが、紫色というのは高貴な色とされていますので、着物を着ていく場所にご年配の方が多く自分が年下の場合は、着用を控えておいた方が無難な色です。同世代の会食など気軽な場所では、全く気にしなくて良いと思いますが。)

カジュアルな織の八寸帯

織の八寸帯は、紬や小紋の着物にあわせるカジュアルな帯として、季節を問わず使いやすい帯ですが、単衣の着物には、初夏に映える差し色的な色を選ぶと全体が引き締まった感じになり、とても重宝します。例えば海を思わせるような藍色系や鮮やかなブルーなどです。

中旬から下旬にかけて真夏日のような日は、夏の絽綴れ帯などをあわせると涼しげです。紗の帯などは、透け感があまりない紗献上帯などを選ぶと良いと思います。

 

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意外と便利な紗献上の名古屋帯

紗の帯などは、透け感があまりない紗献上帯などを選ぶと良いと思います。
紗献上帯というと博多織の献上帯をイメージしますが、淡いパステル系の草花紋や幾何学的な模様などさまざまな柄があります。

紗献上は夏帯のひとつですが、6月の後半の暑さが厳しい日などは、単衣にあわせても大丈夫です。(地域によって微妙に変わります。)


紗献上帯の便利な点は、単衣の着物から夏物、浴衣まで幅広くあわせることが出来ることです。また、なんといっても軽くて締めやすく通気性も良いので、暑くなる季節には欠かせない帯の一つです。
博多紗献上のイメージが男性的な縦模様が多いため、カジュアル感が強い帯ですが、色と柄を選べば幅広く活用出来ます。

 

少し贅沢ではありますが、紗献上の伊達締めは軽くて締めやすく、単の着物にはもちろん一年中とても重宝します。