きもの日和

着物の着こなしなど。きものにまつわるあれこれのブログ。

訪問着や色留袖などフォーマルな着物は、着付師に任せる方がおすすめな3つの理由。

年末年始や 春、秋の季節は、フォーマルシーンで着物を着る機会も多いと思います。一番多いのが披露宴、お祝い事で着用する訪問着や色留袖だと思いますが、フォーマルでの着物の着付けは、ふだん自分で着付けが出来て着慣れている方も、出来ればプロの着付けを試されることをおすすめします。

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着付の技を勉強する良い機会。

カジュアルとフォーマルの着物では、細かな着付けのルールが異なります。長時間の着用を前提とした、着付師の方による着付けはとても勉強になります。自分で出来ていると思っている方こそ、時々着付け師の方にお願いすることをおすすめします。

同じ訪問着でも、礼装として着る場合と食事会などの場所では、あわせる小物や帯も変えます。ということは、着付け方も変わります。

ですが、着慣れている方ほど、着付けの癖がありますので、どうしても普段と同じになってしまいます。自分では気がつかない部分がおかしかったり、その場所にあっていないことはよくあります。

普段着の着物と礼装用では、襟の抜き加減や帯の位置、着丈などさまざまな点で異なり、礼装の場合は、着る人の年齢や場所も考慮し、帯の幅や高さ、食事の有無など考えて着付けられます。

補正も自分の体系と着る着物にあわせて、補正していただけますので、一日中着ていても苦しくなく、崩れることはほとんどありません。

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当日あわてないですむ。

フォーマルな場所へ出かける場合、着ていく着物以外でも、いろいろと準備が大変だと思います。自分の準備だけでも大変なのに、小さなお子様や家族で出かける場合は、家族の支度準備もしなくてはいけません。とても自分のことまで手が回らない状況だと思います。「もう大変だから、着物を着るのはやめよう。」ということになってしまい、せっかく着たい着物があったのに諦めてしまう。という経験はよくある事ではないでしょうか?

そんな残念なことにならない為にも、事前に着付けをお願いすると決めておくと、自分のことは何も考えずに、余裕を持って会場へ行くことが出来ます。

また、当日着る予定の着物にあわせる帯や小物に迷ったら、いくつか持っていくと着付けの際に、選んでいただけますので、失敗することもなくなります。大きめの紙袋か風呂敷にまとめて入れて、持参するだけで大丈夫です。

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着付けが変わるだけで着物の良さが引き立つ

以前、ある某ホテルの美容室で着付けをお願いした時のお話です。いつもと同じように、着物と帯や小物類一式揃えて持って行き、半襟も前日の夜に、長襦袢に縫い付けて準備をして持参しました。ところが当日、半襟の縫い付けた糸を全部解いて、付け替えをされました。

私の付け方だと縫い目が詰まりすぎて、半襟にしわがよってしまうとの簡単なご説明でした。(その他にも理由があったのだと思います。)驚いたのはこれだけではありません。持参した襟芯も帯芯も使わなかったのです。

プラスチックの襟芯や市販の帯芯の代わりに使用したのは、和紙と厚紙。

手際よく着物の襟に合わせて、幅や厚みを調節し襟芯に使用。帯幅も調整して、それにあわせて何枚かの厚紙を入れます。その他、着丈の調整は畳に顔を近づけて、長さを確認するほどの徹底ぶり。
どの過程も、ものすごい早さで進んでいくので、じっくり観察する時間もないくらいだったのですが、補正の作り方などは自分の体系には、こうした方がいいと簡単に教えていただき、いろいろ勉強になりました。

その後、夜まで着物で過ごしましたが、全くきつくも苦しくもなく、着崩れることがなく、快適に過ごすことが出来ました。同じ着物が着付け方が違うだけで、別の着物のように見えてしまった驚きとともに、自己流とプロの着付けとの違いを目の当たりにして、とても考えさせられました。

着付けにはいろんなやり方や流派もあり、正解というものはなく、どれが正しいということではないと思いますが、それぞれの場所や着物にふさわしい着方というのは確かにあるのだと思います。

日頃から良い着付師さんを探しておく

いつも自分で着物を着ている場合は、なかなか着付けをお願いする事は少なくなってしまいますが、よく着付けにいく人の行きつけ先や、上手な着付師さんを紹介しておいていただくと、いざという時にとても助かります。

また、着物を着ていると身近な人で、着付けが出来る方もいると思いますので、いろいろ情報を集めておくと良いですね。