きもの日和

着物の着こなしなど。きものにまつわるあれこれのブログ。

着物でおでかけに便利なコートや羽織を素敵に装う選び方、着物から道中着を作る方法。

着物でお出かけの際、コートや羽織は、防寒として着る方が多いと思いますが、着物や帯を汚れから守る汚れ防止として、一枚さらっと羽織るだけで着物姿が素敵に見える、とても便利なアイテムです。コートの選び方やあると便利な道中着の作り方をご紹介します。

〈目次〉

防寒だけではないコートの役割。

コートや羽織は寒いから必要と思われますが、着物の汚れ防止としての役割もとても大きいです。足元まである着物は、見た目には解りづらいのですが、裾まわりが埃で汚れていることが多いです。帰宅した時に、足袋や草履の台の汚れに驚くことがありますが、それと同じように、着物の裾周りも埃が飛び散っているということなのです。

花粉が多い日や風が強い日などは、何かしらの羽織るものを用意しておいた方が、着物のためにも良いでしょう。特に大切な着物や帯を着る場合は、道中着や道行きコートなどを羽織ることをおすすめします。
また、帯結びに自信がない時など、コートや羽織は、後ろ姿が気にならない点でも安心です。

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コートや羽織のあわせ方

着物の上から羽織るものは、おおまかに羽織、道行コート、道中着(塵よけコート、雨コート)があります。

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羽織は、洋服のジャケットのようなアイテムになりますので、室内でも着ることが出来ますが、道行コート、道中着はコートになりますので、防寒防汚として着用します。 

道行コートは、紬などから礼装用まで幅広くあわせることが出来る便利なコートです。羽織は、着物や帯との色あわせで楽しめますし、お洒落感もあります。現在の羽織丈は膝下の長羽織が主流となっています。

春先と秋口は、レースや薄手の道中着、塵よけコート

寒さがそれほどでもない日、コートを着る場合は、羽織や道中着、道行きコートなどを着用します。春先や秋口は、レースや単衣の薄い生地の道中着を塵よけコートとして着用します。雨の日は雨コートですが、撥水加工がされていますので、雨が降らない日には着用しません。

寒い日には防寒ウールのコート

最近では、洋服感覚で気軽に合わせられる、ウールのコートもさまざまなデザインのものがあります。自分が持っている着物にあわせて、長く着用できるウールのコートがあると寒い日の外出も、とても暖かく過ごせます。

ポンチョタイプのコートは、カジュアルな紬や小紋などにあわせやすく、洋服にも代用できる便利なコートです。

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へちま襟のコートは、小紋から訪問着まで幅広くあわせることができ、長さも膝丈から膝下まで長めのものが多いので、防寒には最適です。ベルベット素材のコートは高級感がありフォーマル度がアップします。訪問着のおでかけやワンランクアップさせたいときにおすすめのコートです。

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コートを選ぶときに気をつけたいことは、コートの袖から着物の袖がでないこと。長さ(丈)が あまり短すぎないサイズを選ぶことです。サイズ合わせは大切ですので、試着をしてみることをおすすめします。

草履について気になる方はこちらをご覧下さい。

kimono.hatenablog.jp

着物上級者の必需品、あると便利な道中着。

着物コートを着慣れてしまうと天候にかかわらず、コートを羽織っていないと何となく落ち着かないものですが、一年中活躍するコートが道中着です。

道中着とは、すっぽり着物を覆い隠す汚れ防止の着物コートです。雨コートのような形ですが、道中着は着物の反物で仕立てられたもので、おもに紬の反物にで仕立てられたものが多く、ぼかし模様や格子柄、ストライプなど、好みの反物で仕立てる楽しみがあります。

雨コートは、雨の日にしか着ることが出来ませんが、道中着は撥水加工をしておくと、雲行きが不安定な日や小雨の日などに雨コートがわりに着用する事が出来ます。また、塵よけコートとしても便利ですので、自分の好きな紬の反物やあまり着ない紬の着物を撥水加工してコートに仕立てておくと、万能な着物コートとしてとても重宝します。

道中着としてよく利用される反物は、紅花紬大島紬などですが、紬独特の風合いはお洒落感もあり、雨コートのような重たさもなく夏以外のシーズンに着る事が出来ますので、着物を着る機会が多い方は、必需品となっている方も多いと思います。

寒さの厳しい雨の日は、薄手の雨コートのだけでは寒いので、道中着の上に雨コートを重ねて着るということも出来ます。コートを重ねて着ることで、防寒対策になります。道中着は、何枚もコートを揃えるのが面倒な方にはおすすめのコートです。

着物からリメイクしてコートをつくる

また、ウールの着物などを自分でリメイクして、道中着にする事も出来ます。その場合、いただいた着物などで、着丈が短めで自分の寸法より小さめの着物が、リメイクしやすいです。

とっても簡単!着物を道中着にリメイクする方法

 1.着物の襟の部分を半分に折たたんで縫い付けます。(バチ襟にします。)
 2.着丈を着物の裾丈にあわせてカットし、裾上げの要領でまつり縫いをする。 
 3.裏地を裾から10cmほど短くあわせてカットしてまつり縫いをする。
 4.カットした共布で長さ50cmくらいの紐を2本作り、中に毛糸を入れてふくらみをつけ、輪にして衿先部分に紐を2本作る。(または羽織紐)※紐かざりが出来る場合は、紐飾りも作る。大きめのボタンカバーでもOKです。
 5.腰の部分に結び紐をつけて完成。

大雑把なつくり方ですが、バチ衿道中着が簡単に出来上がります。
サイズが小さい着物は袖丈が短めになりますが、道中着にリメイクした着た場合、少し肩が下がるのであまり気にならない長さになります。(長さが足りない場合は、袖丈を出す必要があります。)

羽織などは、仕立てがきちんとしていないとまずいのですが、着物をすっぽり包んでしまう道中着は、雨コートのような感じですので、和裁の知識がなくても簡単にリメイク出来ます。もっときちんと作りたい場合は、わかりやすい和裁の本などを参考にされることをおすすめします。

まとめ

コートや羽織は、反物から誂えると着物と同じくらいの費用がかかりますが、仕立て上がりの既製品を利用したり、着なくなった着物をリメイクしてコートにすると手軽に楽しむことが出来ます。また、紬はコートにむいている生地ですので、箪笥に眠っている出番がない着物は、思い切ってコートに仕立て直してしまうのもおすすめです。