きもの日和

着物の着こなしなど。きものにまつわるあれこれのブログ。

着物の着付けで失敗しない知っておきたい基本的なこと。

着物の着付けにまだ慣れていない頃や、久しぶりに着物を着る場合、出かける当日にいきなり一人で着るのは時間がかかり、あせって上手くいかないことも多いのではないでしょうか?

着物を着る数日前に練習をする

着物を着る日が決まったら、数日前に予定している着物で最低1回は着てみることをおすすめします。事前に練習している場合と、何もしない場合では、着付け方も全く違いますので、時間を作って着付けのチェックをしながら練習しておくと安心です。
時間に余裕があれば、ヘアスタイルからメイクまであわせてやってみると、どれくらいの時間が必要なのかあらかじめ把握することが出来ます。

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着物を着る前に確認すること。

着る予定の着物にあわせて、帯や小物を全部揃えて忘れているものがないか、確認しておきましょう。草履、バッグなども着ていく日にあわてないように、出しておくと安心です。

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着物を着る前に準備するものの中で、見落としやすいのが半襟です。着物にあわせて半襟を選んだら、忘れないうちに早めに長襦袢に縫い付けておくと良いです。

着付けのポイントをおさえておく。

1、補正下着を用意する。

しわがなく、きちんと着物を着たい場合は、補正は欠かせません。
また、デコルテ部分にも、補正下着を使うか、薄いタオルやワタなどを「V字」にして長襦袢の上にのせて補正をします。胸元の補正をきちんすると、着崩れやすい襟元が、崩れにくくなります。

2、長襦袢をきちんと着つける。

長襦袢がきちんと着付けられてないと着物は着崩れやすくなります。長襦袢は着物の土台となりますので、襟の抜き方がきっちりしていなかったり、腰紐などが緩いと長襦袢から着崩れてしまいます。

3、腰紐は広げて使うこと。

腰紐がヨレヨレのまま使っていないでしょうか?捻れたより紐のような腰紐は、心地悪いばかりか、着崩れの原因にもなります。腰紐はたいらな状態で、平行に着物や長襦袢にそうように、広げながら使います。
腰紐は、しまう時に丸めたり結んだりせずに、たたんでおくと使いやすいです。よれている場合は、ぜひアイロンをかけてから使って下さい。腰紐を綺麗に広げて使うだけで、着心地と着崩れ方が違いますので、幅広の腰ひもがおすすめです。

腰紐の長さがウエストサイズより長い方は、カットしてちょうど良い自分にあうサイズにすると、もたつかずにおさまりやすくなります。着物は小物の使い方がとても大切ですので、いろいろ工夫してみて下さい。

とてもわかりやすく丁寧な着物の着方の動画(9分42秒)です。

 

着付けた後は、鏡で後ろ姿を確認する

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1.背中の中心がずれていないか。シワがあればおはしょりを引っ張ります。
2.長襦袢が袖や裾からはみ出ていないか。
3.着丈の確認。訪問着は長め(床から親指1本くらいかスレスレ)小紋や紬は短め。
 ※訪問着や上質な小紋は、畳(床)擦れ擦れで、草履に裾がかぶるくらいがいい場合 があります。
4.おくみ線(縫い目のライン)の確認。右足の親指あたりにきているか?
 ※(上前(うわまえ)とおくみを縫い合わせた境目の線をおくみ線と言います。

帯の位置とお太鼓をチェック

最後に帯のチェックですが、お太鼓と着物全体のバランスを見ます。お太鼓は大きすぎても、小さすぎてもおかしいので、全体のバランスを見て下さい。タレ先の長さは人差し指1本分くらいがちょうど良いと言われていますので、その位置になるように、お太鼓を折り曲げる部分の帯裏に、絹糸などを縫い付けて印をつけておくと便利です。
タレ先が左右ゆがんでいないか、帯枕が斜めだったり左右によっていないかなど確認しましょう。

 長襦袢と着物の袖丈の長さがあわないとき

 

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譲り受けた着物や、古着など、ひと昔前の着物を着ようとすると袖丈(裄)が短すぎてあわないことが多いと思います。裄丈(肩幅+袖巾)が短すぎて袖だけお直ししても足らない場合もあります。 着物とあわせる予定の長襦袢の袖丈が、同じ長さだといいのですが、長襦袢は自分用に誂えたものを合わせることがほとんどだと思います。サイズのあわない着物と長襦袢をあわせる場合、長襦袢の袖丈が長くなってしまいます。
着る前に着物と長襦袢とあわせてみることはもちろんですが、畳に置いて重ねてあわせてみるのと、実際に着てみるのとでは袖丈の長さが違いますので、出かける前に着物と長襦袢はあわせて着てみることをおすすめします。

着物の袖が長襦袢より短い場合は、応急処置として長襦袢の肩の部分を縫って、着物にあわせて短くするか、安全ピンで数カ所とめて短くしておきましょう。また、マジックテープで取り外しのできる替え袖の長襦袢という便利なものもあります。市販のものを利用したり、自分で反物や布を使って替え袖を作るのもサイズ調整ができて便利です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
着物は、着慣れてしまえばなんてことないことでも、慣れるまではなかなか大変なことが多いです。着付けに時間ばかりかかってしまって、投げ出したくなることもありますが、少しづつ自分なりのコツがわかってくると、着物を着るのが楽しくなると思います。一番上達するコツは着る機会を多く作ることだと思います。外出しなくても自宅で着物を着て楽しむのもとても素敵です。